裁判所で強制執行の手続をするためには、債務者(養育費等の支払い義務者)へ公正証書が渡されていることを証明する送達証明書が必要になります。これを交付送達といいます。
送達は、当事者が配達証明などで郵送しても証明とはなりません。
どこの公証役場からでもかまいませんので、送達の申請をして、公証人の名前で債務者へ公正証書謄本等を特別送達という手段で郵送し、証明書を受取る必要があります。
離婚公正証書を作成する意義として、養育費の支払い等が滞ったときに、強制執行を裁判所へ申し立てやすくなる、ということがありますが、この交付送達をしておかないと、強制執行の申立てが出来ません。
ですので、離婚公正証書を公証役場で作成したら、その場で交付送達の手続きをすることをお薦めします。なぜかというと、後述しますが、債務者(養育費等の支払い者)の所在が分からなくなると、送達手続きが出来ない、もしくは所在を突き止めるのに時間がかかり、交付送達が出来ない=強制執行の申立てが出来ない、という事態になりかねないからです。
公正証書作成当日に、債務者本人が公証役場に出向き調印する場合は、公証人からの交付送達という手続ができます。
後日、謄本の送達をされる場合は郵便代がかかりますが、離婚公正証書を作成したのと同時に手続きすれば、手渡しで送達しますので郵便代がかかりません。
また、支払が滞ってからの送達ですと、債務者の方の住所が不明になるなどして送達がなかなかできないということがあります。交付送達をされていれば、後日の手続に心配がありません。
交付送達を希望する場合、公正証書を依頼際にその旨を公証人へ伝えておく必要があります。
連帯保証人などにも送達される場合は、それぞれに謄本を作成しますので、手数料の他に謄本代が加算されます。
※交付送達を行うには、公正証書作成当日に、債務者が出席していることが必要です。
※公正証書作成当日に債務者が出席しない場合(債務者が代理人を立てたような場合)、特別送達を続きすることは可能ですが、債務不履行を起こしているわけではないので、執行文は記載されません。
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